【税理士として その5】資金繰りを安定させる② 〜なぜ資金繰りが厳しいのか〜

前回の記事で、「資金繰りを安定させる」ために、「資金繰りを把握」することについて書きました。

この記事では、なぜ資金繰りが厳しくなるのかについて書きます。

利益の額以上のお金を使うから資金繰りが厳しくなる

資金繰りが苦しいのは利益が少ないからだと考えるかもしれません。
しかし、それは事実ではありません。
なぜなら”利益が少ない=黒字”でありお金は増えているはずです。
資金繰りが厳しいのは、利益が少ないからではなく、利益の額以上のお金を使っているからです。

もちろん利益がマイナスであればお金は減るので資金繰りは厳しくなります。
それでも利益のマイナス以上にお金が減っていれば、利益のマイナス以上にお金を使っていることになり、これが更に資金繰りを厳しくすることになります。

資金繰りが厳しいと思ったら、利益の額とお金の増減を比べてみる

利益の額以上のお金を使う要因は?

利益の額以上のお金を使うと資金繰りが厳しくなると言いました。
では具体的に何にお金が使われているのかについて、主な要因について説明します。

売上が増えたから

売上が増えるとお金が足りなくなることがあります。
「売上が増えればお金が増えるのでは?」と考えがちですが、そうならない場合があります。

具体例で説明します。
1つ80円のものを売って、100円で売っているビジネスがあります。
今、1つ売って手元に100円のお金があります。
この時、注文が2つ入りました。2つ仕入れるのに160円(80円×2)必要ですが、100円しかありません。
60円が足らなくなり資金繰りが厳しくなります。

売上が増えればそれだけ元手が必要です。
これが資金繰りを厳しくする要因となります。

回収が遅くなったから

「来月分から支払いを1ヶ月遅らせてよ」
これもお金が足りなくなる要因です。

これも具体例で説明します。
1つ80円のものを売って、100円で売っているビジネスがあります。
100円で売ったもののお金の回収が1ヶ月伸びたとしましょう。
そのお金の回収までの期間に注文が入ったとしても、手元にお金がありません。
仕入れのための80円が足らなくなり、資金繰りが厳しくなります。

在庫が増えたから

「いま仕入れると安いから多めに仕入れておこう」
これもお金が足りなくなる要因です。

これも具体例で説明します。
1つ80円のものを売って、100円で売っているビジネスがあります。
今月は75円で仕入れが出来るため、通常1個仕入れるところ、2個仕入れました。
通常は80円分仕入れるところ、150円分仕入れたため、お金が無くなり社員の給料が払えなくなりました。

在庫は売って、そして代金を回収してお金になるため、
「在庫が多い」=「在庫を仕入れるお金を払っただけ」
となり、資金繰りを厳しくする要因となります。

固定資産を買ったから

「新しいこと設備を買おう」
これもお金が足りなくなる要因です。

これも具体例で説明します。
1つ80円のものを売って、100円で売っているビジネスがあります。
いま100円で販売して代金を回収して手元に100円あります。
売上を伸ばすために新しい販売システム100円を購入して、手元のお金は0円になりました。
新たな仕入れをするお金が無く、資金繰りが厳しくなります。

建物、機械、システムなどの固定資産は長期間で見ればお金を生んでくれるものてすが、短期間ではお金が出ていくものです。
つまり資金繰りを厳しくする要因となります。

借金を返したから

「借金を返そう」
これもお金が足りなくなる要因です。

これも具体例で説明します。1つ80円のものを売って、100円で売っているビジネスがあります。いま100円で販売して代金を回収して手元に100円あります。
借金が100円あるので手元の100円で返済しました。
手元のお金は0円となり、新たな仕入れのための80円が足らなくなり、資金繰りが厳しくなります。

借金を返すことは一般的に良いこととされますが、お金が出ていくものです。
つまり資金繰りを厳しくする要因となります。

ちなみに私は借金には良い借金と悪い借金があって、良い借金は返さない方が良いと思っています。

まとめ

ここでは、なぜ資金繰りが厳しくなるのか、主な要因を説明しました。

資金繰りが厳しくなる要因

「売上が増える」「借金の返済」は会社にとって良いことですが、資金繰りを考えて行う必要があり、よかれと思ったことも結果的に、会社を苦しめることにならないように注意が必要です。

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