【税理士として その6】資金繰りを安定させる③ 〜資金繰りを楽にするには〜

前の記事では、資金繰りが厳しくなる主な要因について書きました。

この記事では、前回の記事とは逆で資金繰りが楽になる主な要因について書きます。

「利益に含まれない収入」を増やすか、「使ったお金」を減らす、が資金繰りを楽にする

資金繰りが厳しくなるか、楽になるかは、「利益の額」と「利益に含まれない収入」と「使ったお金」との関係で決まります。

「利益の額」+「利益に含まれない収入」>「使ったお金」
 ⇒資金繰りが楽になる
「利益の額」+「利益に含まれない収入」<「使ったお金」
 ⇒資金繰りが厳しくなる

この関係から、資金繰りを楽にするには
・「利益に含まれない収入」を増やす
・「使ったお金」を減らす
を行えば良いのです。

資金繰りが楽になる要因

では、具体的にどのような要因で資金繰りが楽になるのでしょうか。

結論から言うと、以前「資金繰りを安定させる② 〜なぜ資金繰りが厳しいのか〜」で書いた逆の内容のことをすれば、資金繰りは楽になります。

それぞれのケースでどのように資金繰りが楽になるかを説明します。

売上が減ったから

売上が減ると収入が減るので、資金繰りは厳しくなると考えがちです。
確かに収入も減りますが、仕入れに必要な資金も減るため資金繰りは楽になります。

具体例で説明します。
1つ80円のものを売って、100円で売っているビジネスがあります。
いつもは注文が2つ入りますが、今回は1つしか注文が入りませんでした。
2つ仕入れるのに160円(80円×2)を用意していましたが、80円しか使わないため、80円が残りました。
資金繰りは楽になります。

売上が増えれば、その分の元手が必要です。
その逆で、売上が減れば、その分必要な元手も減るため、資金繰りは楽になります。

これは”「使ったお金」を減らす”ことになります。
利益は商品1個分が減り▲20円ですが、資金繰りは仕入をしなくなったためお金は+80円となり、合わせて+60円となります。金額にすると60円分資金繰りは楽になります。

回収が早くなったから

「来月分の支払い1ヶ月早く払うよ」
これも資金繰りを楽にする要因です。

これも具体例で説明します。
1つ80円のものを売って、100円で売っているビジネスがあります。
100円で売ったもののお金の回収が通常1ヶ月後でしたが、売上してすぐに回収出来ました。
通常より100円多く手元にお金があるため、資金繰りが楽になります。

これは”「利益に含まれない収入」を増やす”ことになります。

「利益に含まれない収入」は、文字通りで利益には含まれないがお金が増える収入を言います。
この例の場合、手元にある100円は
利益に含まれる収入:20円=100円(売上)−80円(仕入価格)
利益に含まれない収入:80円=100円(手元の100円)−20円(利益に含まれる収入)
に分けることができます。

回収が早くなることは、利益に含まれない収入を増やすこととなり、資金繰りを楽にします。

在庫が減ったから

「すぐに納めてくれるから在庫の量を減らそう」
これも資金繰りを楽にします。

これも具体例で説明します。
1つ80円のものを売って、100円で売っているビジネスがあります。
いままでは、在庫を2つ(160円=80円✕2つ)持っていましたが、調達が安定していることを理由に持つ在庫を1つに減らしました。
通常2つで160円の仕入をするところ、1つて80円の仕入ですみました。
手元に80円残るため資金繰りが楽になります。

これは”「使ったお金」を減らす”ことになります。
在庫の仕入れのためのお金が減る、つまり”「使ったお金」を減らす”になります。
在庫は、売って回収してお金になるものですから、資金繰りの観点では、持っておく期間を短く、持つ量を少なくすることが、”「使ったお金」を減らす”、つまりお金を増やすことになります。

固定資産を売ったから

「この機械、使わないから売ろう」
これも資金繰りを楽にします。

これも具体例で説明します。
使わなくなった機械があり50円で売ることにしました。買ったときの金額は200円だったので、150円の売却損が出ました。
手元に50円残り資金繰りが楽になりました。

わざといろいろな数字を出しましたので、整理したいと思います。
損益計算書における売却損は150円(=50円(売値)−200円(買ったときの金額))です。
ただし、この150円の売却損によってお金は減りません。
なぜなら、固定資産を買ったときに200円のお金が既に減っているからです。
固定資産の売却損150円がありますが、売ったときには売却のお金50円が増えるだけです。

お金の動きとしては次のようになります。
買ったとき ▲200円
売ったとき  +50円
売ったときは50円の収入があるだけです。
ちなみに、売却損は買ったときと売ったときの差額のことです。

これは”「利益に含まれない収入」を増やす”ことになります。

売却したお金50円は利益には計上されません。売却したお金は「利益に含まれない収入」となります。

固定資産を売却して収入を得る場合、売却損が計上されることになっても、資金繰りが楽になります。

借金をしたから

借入をすることも資金繰りを楽にすることになります。

この例が一番わかりやすいと思います。100円借りれば100円手元のお金は増えます。

これは”「利益に含まれない収入」を増やす”ことになります。

借金した100円は利益には計上されません。借金した金額は「利益に含まれない収入」となります。

まとめ

ここでは、どうしたら資金繰りが楽になるのか、主な要因を説明しました。

資金繰りが楽になる要因

「売上が減る」や「固定資産を売って売却損が出る」は会社にとって良いことでない場合もありますが、資金繰りにとっては良いことになります。

資金繰りが厳しくなるか楽になるかは、会社にとって良いか悪いかとは関係ないことがあり、それぞれ会社のお金にどう影響するかの見極めが重要です。

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