前回の記事で返し方がちゃんと決まっている借金は良い借金だと説明しました。
この記事では、どのように借金の返し方を決めると、その借金は良い借金となるのかについて説明します。
「なぜ借りるか」は「どうやって返すか?」
返し方を決めるのに、最も大事なことは「なぜ借りるか」を把握することです。
「お金が足りない!!」
そうやって借金をする場合、一度立ち止まって「なぜ借りるか」を考えて下さい。
「なぜ借りるか」は、「何にお金を使うか」となり、
「何にお金を使うか」は「使ったお金をどのように回収するか」となり、
「使ったお金をどのように回収するか」は「借りたお金をどのように返済するか」になります。
そのため、「お金が足りない」ときは、「なぜ借りるか」を考えることが重要です。
以下、具体的な例を使って説明します。
【ケース1】大きな機械を買ったからお金が足りない
【ケース1】の場合、借りたお金は何によって返すかと言えば、機械を使って製品を作り、それを売ったお金で返します。
しかし、売ったお金がそのまま使えるかというと、売ったお金は次の製品を作る材料を買うために使われるため、実際は製品を売って発生する利益から返すことになります。
その利益はいくらで、製品は何個売るのか、この利益✕製品数の掛け算が借入の金額に到達する(=返済する)まで何年かかるかが、この借金を何年で返すかを決めることになります。
返済期間は数ヶ月で返済できるものではなく、数年にわたる長期となります。
返済方法は、利益は少しずつ積み上がっていくので分割で返済することになります。
「なぜ借りるか」
→機械を買うお金が必要
「どうやって返すか」
→機械から作る製品の利益
(長い期間少しずつお金が入る)
返済期間→長期
返済方法→分割
【ケース2】大きな取引のための仕入資金のお金が足りない
【ケース2】の場合、借りたお金は何で返すかと言えば、大きな取引の売上代金の回収により返済します。
したがって、返済期間はその取引の期間、言い換えれば、商品や材料を仕入れてから売上が回収されるまでとなります。基本的には数ヶ月の短期になります。
返済方法は、売上が回収されるまでの期間は、この取引についての収入はないため、分割ではなく一括返済となります。
「なぜ借りるか」
→大きな取引のための仕入資金が必要
「どうやって返すか」
→大きな取引の売上回収代金
返済期間→短期(取引のために仕入をしてから売上代金が回収されるまで)
返済方法→一括
プランBはあるか?
「何にお金を使うか」によって「どのように返済するか」が決まると説明しましたが、残念ながら予定通りに進むとは限りません。
予定通りに進まない場合にどのように返済するか(出来るか)のプランBを考えておくことが重要です。
“【ケース1】大きな機械を買ったからお金が足りない”で言えば、製品が想定より売れなかった場合などです。
この場合、製品を販売して得られる利益が減るため、返済の資金が用意出来なくなります。
こういった状況になっても、他の製品の利益で返済出来るかなどを同時に検討しておくことが必要です。
そして返し方も、プランBを見据えた返し方としておくことが重要です。
先ほどの例で言えば、想定で言えば3年で返済可能だが、想定通りにいかない場合を考えて返済期間を5年にするなどです。
想定通りなら3年で返済出来る借金を5年の返済とすれば、想定の60%の利益となったとしても返済することが可能です。
また、他の製品の利益を返済に充てることとなっても、影響を少なくすることが出来ます。
繰上返済はすべきか?
プランBをを見据えた返し方とした場合、計画が想定通りに進むと、資金が余ります。
この場合に繰上返済するかどうかの問題があります。
私の意見は、繰上返済は慎重に判断するべきだと考えます。
返済する手続きはとても簡単です。しかし、繰上返済した後で「やっぱりお金が足りない」という状況になった場合、もう一度借金をするのはとても大変です。
もう一度借金をするのが大変なのは、事務的な労力と金融機関からのイメージの問題です。
事務的労力とは、なぜ必要かを考え、必要な資料を準備して、金融機関と打ち合わせをして、条件交渉して、多くの書類を書く作業があります。
金融機関からのイメージとは、資金繰りに余裕があるから繰上返済したはずなのに、今度は借入の申込があったとなると、会社に何か悪いことがあったのでは、あるいは、管理がしっかりしていない会社という印象を持たれることです。
このようなイメージを持たれると、以降の借入に影響するおそれもあります。
繰上返済の結果、「返しすぎてお金が足りない」という状況とならないかは慎重に見極める必要があります。
まとめ
ここでは良い借金とするための借金の返し方の決め方について説明しました。
- 「なぜ借りるか」は「どうやって返すか?」
借金する前に「なぜ借りるか」を把握 - プランBはあるか?
計画がうまくいかなかったとしても返せる借金にする - 繰上返済はすべきか?
計画通りでも繰上返済は慎重に考える

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